最強の無制限容量ストレージだったGSuite Business Standard
GSuite(現在のGoogle Workspaceになる前)のBusiness Standardプランは、(表向きの説明と異なり)1ユーザーでも容量制限無しの運用になっていて、安価で高性能な容量無制限ストレージとして、唯一無二の存在だった。
Google Driveは速度も数百Mbps余裕で出るので、アップロードも爆速で終わり、ローカルにコピーを持たずにストリーミング状態でマウントしても、それほどストレス無く使うことが出来る。
他にも、アップロードした動画はブラウザからもAndroidのGoogle Driveアプリからも再生出来るなど、Google Driveへのアップロードは圧倒的な利便性を提供する。
Google Workspace Enterprise Standardへの移行
Google Workspaceに変わると、Businessプランの容量無制限ストレージは終了した。元々Businessプランを使っていたユーザーは、管理コンソールからEnterprise Standardにアップグレード可能になっていて、Enterprise Standardに切り替えることで、引き続き1ユーザーでも容量無制限ストレージを利用出来た。
Enterprise Standardは 20USD/monthのため、12USD/monthのBusiness Standard比では大幅な値上げではあったが、大容量のデータを置いている人にとって、この程度ならば金額に十分見合うサービスと考え、移行した人も多かったようだ。
1ユーザーでも容量無制限の抜け穴の終了
しかし、大変残念なことに、ついにEnterprise Standard以上であれば、1ユーザーでも容量無制限となる抜け道が塞がれた。
元々5ユーザー以上でなければ容量無制限にならないというのが公式な仕様であった以上、いつこうなってもおかしくはなかった…
60日以内に容量を5TB以下にしなければRead-onlyになるという通知が来てしまったため、早急なアクションが必要になった。
高すぎる「無制限」の料金
「保存容量を増やす」をクリックすると案内されるのは、10TB, 300USD/month という料金。
300USDは15ユーザーの費用に相当し、その場合ストレージは5TB*15=75TB増加する。
この提案はぼったくりにも程がある。
5ユーザーにすれば容量無制限に出来るが、
(実際には5TB*5=25TBスタートで使用率に応じておかわりリクエスト方式)
20USD*5=100USD/month になってしまう。
最近の為替レートだと、月14,000円の計算。
下手をすると毎月8TBのHDDが買えてしまう金額だ。
消去法で選ばれた移行先
Google WorkspaceからDropboxに移行することした。
クラウドストレージをメインのストレージにしている最大の理由は、メンテナンス不要でデータが壊れず高速なアクセスが出来る状態が維持されることにある。
NASはHDDのお守りが必要だし、小規模なクラウドストレージは速度・信頼性に難があることが多い。
DropboxのPros/Consは下記にまとめたが、Google Driveのファイルストリームのような動作が出来ないという大きな欠点を除けば、代替として十分実用的と言える。
Pros
- Advancedプランでは、容量無制限のストレージが(今のところは)提供されている。
- 最小3シートのため、2023年7月現在、年払いであれば、7,200 (2,400*3) 円/月で利用でき、100 (20*5) USD/月のGoogle Workspaceに比べれば半額程度で済む。
- アップロードした音楽ファイルをブラウザから直接再生出来る。(試聴が出来るというレベルでプレイヤーアプリとして利用出来るレベルではない。)
- Reddit等で語られているところによると、Google Workspaceと異なり、Dropbox Advancedは使用率が逼迫すると申請無しで自動で容量が拡張されるらしい。
Cons
- Google Driveのクライアントのようにファイルのストリーミングアクセスが出来ない。ローカルに一度ファイル全体をダウンロードするまで、ファイルにアクセスが出来ず、外付けディスクのような感覚での利便性は無い。
- (当たり前ながら)大容量のGMailが付いていない
補足 | 容量無制限のDropboxが付帯するサービス
下記サイトを参考にしたところ、容量無制限のDropboxを付帯するサービス(rekordbox)が存在することが分かった。

Dropboxが付属するプラン:Professionalプラン
- 3,960円/月(月額支払い)
- 39,600円/年(年額支払い)
Google Workspace Enterprise Standardの1シート(20.0USD/月)より高いが、Dropbox Advanced 3シート(年払いで7,200円/月)比で半額未満になる。
一方で、サービスの継続性への懸念、Team Driveへの接続という形態になる違いがあるので、pros/consを理解したうえで選択して欲しい。