Xiaomi 12S Ultraでは以前からeuROMを使っていた。
12S Ultraは中国専用モデル。初期のOSでは下記のように色々使いにくいところがある。
- 中国向けアプリが多数プリインストールされていて、一部は無効化も出来ない
- Google Playを入れることは出来るが、デフォルトのストアアプリは中国向けのXiaomiのストアアプリのまま
- rootを取ってもロケーション履歴をONに出来ない
euROMではこれらが全て解消するため、ハードウェアレベルでFeliCa非対応なところを除けば、Xiaomi 12S Ultraは欠点のほとんど無いAndroidスマホとして使える。
1インチセンサーのカメラでどこでも印象的な写真が撮れる。
最近MIUI14 (Android 13ベース)のeuROMが公開され、MIUI13からアップグレードした。
最初のMIUI14のeuROMはFastbootのイメージで、PCからの焼き込みが必要だった。
一方、Wipe不要でデータも失われないため、アップグレード自体はすんなり進んだ。
その後、MIUI14のマイナーバージョンアップのOSが公開されたので、端末からダウンロードしてTWRPからアップグレードしようとしたが、ここで問題が発生。
TWRPがパスワードを訊いてこないので、暗号化が解除されない。
結果、TWRP内で data/
がマウント出来ない。
当然ダウンロードしたイメージも読み出せないので、OSが更新出来ない。
最新のeuROMは、Fastboot/TWRP兼用のHybrid方式で配布されている。
FastbootからPC経由でイメージを書き込むことで、OSを焼くこと自体は出来た。TWRPの問題も解消するかと期待したが、OS更新後も data/
をマウント出来ないままだった。
調べたところ、MIUI 13のeuROMのインストール時に焼かれたTWRPは古く、Android 13には非対応で、TWRPを別途最新のものに書き換える必要があると分かった。
xiaomi.euのフォーラムにもガイドがあり、自分の場合は下記手順で対応出来た。
- 最新のTWRPのイメージをダウンロード。今回はSourceForgeのthorディレクトリから
twrp-3.7.0_12-v7.2_A13-thor-skkk.img
をダウンロードした。 - fastbootはeuROMのzip(今回は
xiaomi.eu_multi_THOR_V14.0.10.0.TLACNXM_v14-13.zip
)を展開して得られたbin/windows/fastboot.exe
を使うことにした。パス指定が面倒なので、このディレクトリにtwrp-3.7.0_12-v7.2_A13-thor-skkk.img
コピー。 - コマンドプロンプトを開き、上記の
fastboot.exe
が含まれているディレクトリまで移動。 - 下記コマンドを実行
fastboot flash recovery_ab recovery.img
fastboot reboot recovery
上記ステップでTWRPがアップグレードされ、TWRP起動時にはパスワードが訊かれる状態に戻り、 data/
をマウント出来るようになった。Magiskモジュールのインストールも以前のように実行出来た。
euROMは表示もほぼ完全に日本語になり、ホームアプリを変えてしまえば「普通のAndroid」として使えるが、OSアップデート周りは微妙に落とし穴がある。
とは言え、OnePlus6でOSアップデートの度にVoLTEが無効になる非常にやっかいな問題と違って、fastbootだけで解決出来るうえ、Androidのバージョンが上がるようなレアケースでのみ発生するので、今後も困るケースはほぼ無さそうだ。